あなたへ

お元気ですか。ご無沙汰しています。いつかはありがとうございました。筆無精で、かつ、ついつい考え込んでしまう性格が災いし、こんなにも自分の考えをあらわすことが遅れてしまって申し訳ありません。わたしはなんとか生きています。

思えば2016年は本当にクソみたいな1年でした。わたしは離婚し、祖父は呆け、イギリスは欧州連合から離脱することを決め、アメリカではトランプが大統領になりました。米国に移住して2年としばらくが経って、わたしは今年30になります。これまで生きてきて苦しいことはいくつかありましたが、その中でも厳しく、また様様なことを考えさせられる1年であった、と思います。

もちろんいくつかのよいこともありました。思いがけない驚きがあり、新しい学びがあり、様様な出会いがありました。20代の後半はわたしにとってずいぶんと苦しい期間でしたし、数々なものに惑わされ、幾多の失敗や罪を犯しましたが、29歳になった年、今後の人生を生きていくための、いくつかの指針のようなものも見つけることが出来たと思います。

昨年は父が死んで10年になる年でした。そのことは既に以前少しだけ書きましたね。わたしの時間はいまでもあの日で止まっているようですが、それでもなお、時間の経過とともに変わるものもあり、少しばかり、自分のしあわせというものを考えることができるようになりつつあるような気がします。

あなたはいまどうしているのでしょうか。生きて、幸せにやっていくれたらよいと思います。あなたがどういう年になるのか、わたしにはまだ分かりません。ひょっとしたら状況は悪化し、さらにひどいことになるのかもしれない。けれどもわたしはあなたが健やかであることを祈っています。自分が、次の10年のために出来ることを、少しずつやっていこうと思っています。何をして、誰とともに生きていくのかということに関する答えに、少しでも近づきたいと思っています。

出来ることならわたしに勇気をください。前へ進むための、あなたのために祈るための、決断するための勇気を。

自分のことばかり書いてしまって申し訳ありません。どうかお元気で。また会う日まで。

長山燕石