既に幾度も語られていることだが、日曜日の参院選は自民党に勝利を、民主党に敗北を、そして共産党に躍進をもたらした。衆参のねじれは解消され、いわゆるアベノミクス路線は国民によって承認されたように見える。そういった流れの中で、共産党が11(沖縄大衆社会党と合わせれば12)議席を確保し、院内交渉会派となるための条件である10議席を上回り、議案提案権を獲得したことは何を意味するのか。

第一に考えられるのは、もちろん、低投票率の結果としてよく組織化された政党が健闘した、ということである。全国的に支持団体が広がる公明党もよい成績を残している。また、自民党を概ね好ましく思っているが、憲法改正などのイシューについてはその主張を飲み込み難い人々が、いわゆるバッファー・プレイヤーとして共産党に投票した、という事もあるだろう。

しかし、より大きなポイントとして、このトレンドが東京都議会選挙から続いていることを考えれば、「左翼あるいはリベラルな人々にとって、投票の対象となる政党が共産党しかなくなりつつある」ということがあるのではないかと思う。、社民党や生活の党などは政党として存続していくために必要な安定的な支持基盤を確保することができていないし、また民主党は必ずしもリベラルな政策を推し進めているわけではない上、政権党としての失態を経て既に信用を失っている。その中で、共産党だけが唯一、自民党の現実的なオルタナティブとして存在しえているように見える。

共産主義革命路線を放棄し、議会民主主義及び資本主義の中での漸次的改良を党是にした今、日本共産党はどちらかと言えば社会民主主義政党としての色をより濃くしている。一党独裁、暴力革命など、「共産主義」という言葉に付随するイメージを払拭していくことが出来れば、継続的に支持を拡大し、第三党として安定することができるかもしれない。驚きである。

参考