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「NHK 経営委員、南京大虐殺を否定」を BBC が報じる

まったく意外性のない話だが、さらっと訳す。BBC News – Governor of Japan broadcaster NHK denies Nanjing massacre である。

[追記]: The Guardian は、Japanese broadcaster’s board member praised ritual suicide of rightwinger と題して、百田氏の発言にも触れながら、長谷川三千子氏による右翼活動家の自殺を礼賛する追悼文を報道している。


NHK 経営委員、南京大虐殺を否定

日本の公営放送である NHK の経営委員が、南京大虐殺を否定。NHK 会長の従軍慰安婦をめぐる発言も記憶に新しい。

この発言は、百田尚樹氏によって、東京都知事選挙に出馬した右翼候補を支持する演説の中でなされた。

百田氏は著名な小説家で、12人いる NHK 経営委員の一人。昨年末、安倍晋三首相によって選出された。

朝日新聞によれば、百田氏は、「1938年に蒋介石が「日本軍が南京大虐殺をした」とやたら宣伝したが、世界の国は無視した。なぜか。そんなことはなかったからだ」と述べた。

戦争において虐殺はどちらの陣営によっても行われており、そのようなことを日本の子供らに教える必要はない、と彼は続けたという。

同新聞によれば、この発言は2月3日、東京での街頭演説中になされた。

この報告について、日本の菅義偉官房長官は、「報告は聞いているが、(個人的な意見の表明は)放送法に違反しない」と述べ、政府としてのコメントを避けた。

放送法は、政党の役員が経営委員になることを禁止しているが、党員に関してはこの限りではなく、他の政治的活動に対する制限もない。

百田氏の発言は、籾井勝人新 NHK 会長が、日本軍による慰安婦の利用は戦時中どの国でも行われていた、と発言した数日後になされた。

会長は「そういった女性は戦争をしている度の国にもいたし、フランスやドイツもそうだ」と述べ、国際的な怒りに関して「不思議だ」のコメントした。

その後彼は謝罪し、「ルールに関する理解を欠いていた。私の思慮不足で、あのようなコメントをしたことは大変不適切だった」と言った。

中国は、1937〜8年の冬に日本軍が南京入りしてから、およそ30万人の市民と兵士が殺害されたと主張。日本の歴史学者の中には、この数字に関して論争を行なっているものもいる。


日本の右傾化はどこまで行くのか。

ナショナリズム研究の未来

テッサ・モーリス=スズキが Japan Focus に寄稿した「安部ナショナリズムの再ブランド化(英語)」によれば、ケヴィン・ドークなる米ジョージタウン大学教授は安倍晋三のナショナリズムを高く評価しているという。

ドークは、ナショナリズムを「市民的 civic」な形態と「民族的 ethnic」な形態の二種類に弁別し、安倍のそれは市民的であって、弁護されるべきナショナリズムである、としているようだ。

モーリス=スズキも指摘しているように、このような二分法はすでに数多くの論者によって批判されてきた。ナショナリズムはひとつの現象として捉えられるべきものであって、それがどのような形態で発露するかは二次的な問題にすぎない。市民的に見えていたナショナリズムが、ある日突如として特定の民族への憎悪を語りだすのはそう珍しいことではない。それは表層的には異なるもののように見えるが、より深いところでは同一の機制によって働いているものなのだ、ヤヌスの二つの顔のように。

一方で、だからといって、ナショナリズムを全面的に否定する訳にはいかない。それは近代において曲がりなりにもデモクラシーというものを成立させた要因の一つなのだ。ナショナリスティックな動員というものは、軍事的に利用されたならば恐ろしい暴力を生み出すが、我々はそれなしでは市民が選挙という面倒なプロセスへとコミットすることの意味付けを満足に行えないのである。

我々の課題は二段階的である。すなわち、

  • ナショナリズムの発生し作動する内的機制を理解し、その諸形態を説明付け、
  • 適宜各国のナショナリズムを制御し、暴走を阻止すること。

これら二つの課題に向きあって初めて、ナショナリズム研究というものに意味があるということができる。

この意味で、現在のナショナリズム研究はまだ発展途上である。ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』やエリック・ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』などは重要な著作だが、それは歴史的現象としてのナショナリズムを取り扱うことに専ら注力しており、その内的機制をきちんと問うところには至っていないとわたしは考えている。アーネスト・ゲルナーの理論については、ここのところ、再検討の余地があるのではないかという気もしているが、まだそこまでしっかりと読み込むには至っていないのが現状だ。

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